大阪らんちゅうの魅力と飼育方法

大阪らんちゅうの魅力と飼育方法
戦後絶滅した大阪らんちゅうを愛好家の方々が復元に努められています。こちらでは池山五郎先生の復元された大阪らんちゅうを中心に飼育しています。氏の好まれた大阪らんちゅうの特徴は大型(20センチ~30センチ)で楊貴妃という模様をもったものです。当方では当時分けていただいたものを毎年繁殖させています
大阪らんちゅうとは
模様
大阪らんちゅうは別名模様魚とも呼ばれています
模様は親魚の影響を強く受け、繁殖させる楽しみがあります。画像は本国錦と呼ばれている模様で口紅・奴・胸鰭・梶鰭・尾鰭・腹鰭が赤になって、それ以外は白色です
明治時代初期にまとめられた金魚問答には、24の模様がまとめられています。 本国錦・源平錦など趣のある名前が付けられています。
模様は鱗を剥がしたり、薬品などで調色ということをすることは、筆者と言われておりあまり好まれなかったようです。掛け合わせで天然の色を求めたいものです。
鼻房
鼻の部分が房状に発達していて、個体によっては大きく発達するものもいます。日本では日本花房というオランダ獅子頭に似た金魚が同じように鼻が発達したものもいましたが、現在はほとんど見ることがなくなりました。
平付け尾
平付け尾は胴の中心から平行に尾が伸びてます。江戸時代に琉金と大阪らんちゅうを掛け合わされて土佐錦が生まれたといわれる所以は大阪らんちゅうの平付け尾が土佐錦の尾に遺伝していることからそのように言われています。大きな帆のような尾は優美に見せてくれます
繁殖
全身素赤の個体は美しい模様を出すためには必ず必要になります。更紗模様が美しい大阪らんちゅうにはなりますが、更紗模様の親同士を掛け合わせていくと、赤がほとんどなくなってしまいます。そのために、池山五郎先生は素赤の大型の雌を大事に飼育されていました
舞妓さんのような金魚
歴史は非常に古く奈良県郡山藩の掛け軸には大阪らんちゅうが描かれています。1862年に大阪らんちゅうの品評会が行われた記録もあります。日本人に親しまれている金魚だったことがわかります。模様を作り出すのは非常に難しく、毎年掛け合わせて6年~7年かけて模様を作り出す匠の世界だったようです。戦後絶滅したものを池山五郎先生が大阪の旧家の池から発見したものを掛け合わせって現在の形に仕上げられています。池山五郎先生は生前、ご自宅にお伺いさせていただいた時に当時のことをよくお話いただきました。当時の農林水産大臣・有名な大女優・皇族など大阪らんちゅうを飼育していることで色々な人と知り合いになったよ。誰も作ることができない金魚を作る名人でした。人間的にも大きな方でした。
上の画像は池山五郎先生から分けていただいた当時の金魚になります。口紅・奴が入っており、楊貴妃という模様になります。非常に珍しい模様になります。
飼育方法
池山先生の系統については、飼育しやすいのが特徴です。氏が強い金魚を好んだためにそのような飼育方法が取られていたように思います。また、選別でも大型になる金魚を選ばれていたようです。そういった素質をもっていますので、飼育しやすく大型になるものが多いです。
水槽飼育でもプラ船でも飼育は可能です。大阪らんちゅうは上から見たほうが、尾が美しく・太身のある胴も見どころです。つまり上見(うわみ)の金魚になると思います。水槽飼育をされている方もいらしゃいますが、おすすめはプラ船になります。プラ船を室内でも室外でもどちらでもいいですが、室外の場合は鳥獣対策が必要になります。水はそんなにうるさくなく多少水が汚れても特に問題はありません。1週間に1度程度の水替えを行うのがいいかと思います。濾過は投げ込み式濾過のロカボーイや水作エイトコアなどホームセンターで販売しているようなもので十分ですが、飼育数が多い場合は上部式・外掛け式フィルターなどがパワーがあるために効果的です。飼育については初心者の方であっても飼育することは可能です
病気になりにくい
金魚の中には飼育が難しく病気になりやすい品種もいますが、大阪らんちゅうの場合は病気にはなりにくいようです。最低1週間に1回は水替えをすれば、特に問題なく飼育することができます。丸物と言われている丸いタイプの金魚は転覆病にかかりやすいです。餌のやりすぎが原因ですので、餌は消化にいい餌をすこしづつ与えてください。
大きさ
大阪らんちゅうの系統によっても大きさは全く違います。通常の大きさは12センチ前後になります。系統によっては20センチ~30センチのサイズのものもいます。飼育方法でも大きく育てる方法と可愛いまま育てる方法があります。飼育する方の好みが大きくでてくる金魚といっていいです
関連記事:大阪らんちゅうを大きく育てる
親魚にはコブ
1才~2才の大阪らんちゅうはかわいらしい金魚ですが、親魚になってくると迫力がでてきます。らんちゅうのようにコブがでてきてます
尾紅
大阪らんちゅうは尾紅(おべに)が基本です。
模様ギャラリー
模様魚とも言われていて、様々な表情を見せてくれます。形も大事ですが、模様も追い求めたいですね。
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関西大阪らんちゅう